耐震診断で”あんしん”を手に入れましょう
地震に備える① でも少し触れましたが、「我が家は大丈夫かな?」と思ったら、まず耐震診断をおすすめします。
「耐震診断・耐震改修」に関する大まかな流れをご紹介します。
①お住まいの市町村等で耐震診断を申し込む(昭和56年5月31日以前着工の木造住宅の場合)
又は日本建築防災協会等で開催する「木造住宅の耐震診断と補強方法」の講習を受けた建築士に診断を依頼する(市町村等で補助金申請をしない場合)
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②耐震診断士(建築士)がお宅を訪問、「一般診断法」(目視を基本とする調査)による現地調査
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③耐震診断の結果報告と※概算工事費の提示(※愛知県の耐震診断事業では提示があります。他地域は不明)
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④耐震補強する必要がある場合、更に詳しく「精密診断法」(必要とあらば化粧部材を取り除き構造を確認する調査)による現地調査
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⑤建築士による耐震改修計画の策定
※③の後に耐震設計に入る場合もあります。精密診断を実施すると、より精度が上がり、過剰に補強しなくて済む場合もあるようです。
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⑥耐震改修工事
耐震診断でわかること
耐震診断を行うと、①地盤・基礎についてと、②上部構造(土台から上の構造体)についての評価が出ます。
①地盤・基礎について
・地盤:立地条件による、地震時に起こりうる被害について
・基礎:地震時に起こりうる被害と、上部構造に悪い影響を及ぼす可能性のある要因
以上が注意事項として知ることが出来ます。
②上部構造について
筋交いの種類と位置、構成している壁の材質や、土台と柱、柱と梁 等の接合部の状況
そして各部の劣化度合いなどよりをもとに、家の各階、縦方向・横方向それぞれの強さが数値で出てきます。
その数値のうちの一番小さいものを「上部構造評点」といって、
「その家が大地震時に倒壊する恐れがあるのかどうか」ということが判断されます。
上部構造評点による判定はこんな感じです。
評 点 |
判 定 |
1.5以上 |
倒壊しない |
1.0以上1.5未満 |
一応倒壊しない |
0.7以上1.0未満 |
倒壊する可能性がある |
0.7未満 |
倒壊する可能性が高い |
ポイントとなるのは、大地震時に倒壊するかどうか?ということです。(耐震診断でいう「大地震」というのは、建築基準法で定める
「極めて稀に発生する地震」と同じです。(震度6強~7程度))
耐震診断の結果をどう活かすか
耐震診断の結果が出て、倒壊する可能性がある場合は、地震に強い家にするために耐震補強の計画を立てる必要がありますが、
次に問題になるのは「どこまで丈夫にするか」ということでしょう。
「倒壊しない」というレベルまで上げられれば安心なのですが、もちろん丈夫にしようとするほどコストがかかります。
最低限倒壊は免れるレベルにしておいて、外への避難さえ出来ればいいとか、どうせコストをかけるなら建替えを検討する、という
場合もありますし、そのあたりは色々な考え方があると思います。
また、市町村等で耐震関連の補助金を受ける場合、診断結果の上部構造評点を〇〇ポイント以上上げるなどの条件があります。
ここでご注意いただきたいのが、耐震補強・リフォームをむやみにすすめる悪徳業者です。
耐震診断の内容は、専門家でないとなかなか判りにくい部分があります。そういった弱みにつけこみ、必要ない部分の
補強をいい加減な施工で行っていく業者も横行しているそうです。
耐震診断・耐震補強は、信頼できる地域密着の工務店にお任せ下さい。
+++こぼれ話+++
耐震診断の現地調査で、家のどんなところを確認するかご存知でしょうか?
家の図面が無い場合は各部を採寸し図面をおこします。筋交いの種類、位置が図面に記載されていれば、より実状に近い判定ができます。
更に、外観・内観・床下・小屋裏を調査し、劣化度、構造体の確認をしますが、床下の確認の為畳上げをしたり、小屋裏を確認する為に天井点検口(多くは押入れの中にあります)から入ります。また内壁の状態から木部の状態を推察する為に、全ての室内の壁、浴室なども確認します。
お住まいの方には、他人に見られたくない部分もあるかと思いますが、あんしんを手に入れるためのステップということで、前向きに受け入れていただければ幸いです。
(有)伊奈建築では、愛知県登録の耐震診断員でもある女性建築士が耐震診断を行っております。
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